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宮地楽器 創業100周年記念
宮地楽器が誇る弦楽器講師による特別演奏会。
王道の古典〜20世紀室内楽から、魅惑のタンゴクインテット、
そして圧巻の弦楽合奏と、弦楽ファン必聴のプログラム。
「不協和音」というニックネームが付けられたこの曲は、モーツァルトの弦楽四重奏曲の中でも最も有名な曲です。1785年(当時29歳)尊敬するハイドンに献呈された6曲組のうちの1曲。当時、本人、あるいは写譜家の写し間違いかと思われるほど、第1楽章冒頭の和声展開が聴衆には奇妙に聞こえた様です。実際、この時代の音楽では緊張した響きを使う習慣がなかったため、「私はこのような曲も書きたいが、あなたぐらいしか理解してもらえない」とハイドンに対する尊敬と、一般の聴衆には理解不能だろうと皮肉を込めたのではないかという説もあります。
バルトークの曲は難解で重苦しいといったイメージをお持ちの方も多いかもしれません。また、それまでになかった新しい音楽の形をバルトーク自身が目指していたので、その近代的な響きに抵抗を感じてしまうことも少なくありません。この曲も耳慣れない不協和音たっぷり、野性的でクラシックの概念を覆すようなビートに溢れていますが「なんかスゴい」と惹きこまれてしまう一曲です。近代の音楽を敬遠しがちだった方も、元々お好きな方も楽しんでいただけたら幸いです。
ドイツ・ロマン派の作曲家メンデルスゾーンは幼い頃から優れた音楽的才能を見せ、神童として知られました。38年の短い生涯ながら、《ヴァイオリン協奏曲ホ短調》を始め、名曲をたくさん残しています。《弦楽八重奏曲》は16歳のときに作曲され、当時から傑作として高く評価されました。今回は、喜びに満ち溢れた第一楽章、憂いを帯びた第二楽章、8人がパズルのように絡み合いながら駆け抜ける第四楽章を演奏します。若者の感性がそのまま音になって連なったような、瑞々しい音楽をお楽しみください。
タンゴは3分間のオペラともいわれるドラマティックな世界の中で、弦楽器の豊かで起伏に富んだ感情表現、そして躍動感溢れるリズム奏法やパーカッション的な擬音などで、クラシックとはまた違うヴァイオリンの魅力を引き出してくれます。宮地楽器創業の1917年に作られた最も有名なタンゴ「ラ・クンパルシータ」、フィギアスケートでもお馴染みの「ポル・ウナ・カベサ」、ピアソラの<四季>から最も抒情的で美しい「ブエノスアイレスの冬」他、タンゴの世界を楽しんで頂けたらと思います。
CMなどで、誰もが耳にしたことのある強烈な冒頭部分をもつこの曲は、モーツァルトへの敬愛から作曲されました。当時ロシアは、貴族社会の没落、政府要人に対するテロなどが多発した暗黒の時代。その現状とは正反対の、モーツァルトの得意としたセレナーデ(「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」等)という優雅な形式をチャイコフスキーが選んだのは、古き良き時代の故郷への想いが込められていることは間違いありません。そして、その想いは国や言葉を超え、私たちをそれぞれの故郷へと連れだしてくれます。世代もバックボーンも違う私たちですが、どれだけその道のりを歩き出せるのか、大きな挑戦です。何より私たちの演奏で、お客様それぞれの“心の故郷”へとアクセスして頂けることを願っています。