トロンボーンの練習・演奏をする場合には、長さが2m以上のスペースが必要とされます。(これは「D」の音でスライドをいっぱいに伸ばすためです)
そのため、防音室内の対角線上にスライドを出すようにしても部屋の広さが2畳以上の防音室が必要となります。
また管楽器全般に言えることですが、初心者と上級者では音の大きさの絶対値がかなり違います。
上達に伴いボリュームのある音が出るようになりますので、できればそれを見越してワンランク上の遮音性能の防音室を選ぶことも大切です。
フルートは音域が高いので、比較的防音がしやすい楽器と言ってよいでしょう。それはトランペットと同様にフルートの音は壁に反射しやすいので、低音の出る楽器よりも音が外に漏れにくいからです。
例えば防音室単体の遮音性能が「Dr-30〜35」のものでも、夜の遅い練習が充分に出来るケースが多くあります。
また、フルートを防音室の中で演奏するためには最低0.8畳の広さがあれば可能ですが、やはり0.8畳では譜面台を立てて演奏することは難しく、楽譜を防音室の壁に貼って対応するなどの制約が出てきます。
できれば1.2畳以上の広さの防音室がお薦めです。
クラリネットの音量はサックスよりは小さく、音域もほぼ中音域の音域ですので比較的に防音はしやすい楽器です。
また、フルートのように横に楽器を持たないので、小さなスペースでも演奏、練習が可能です。
ただ0.5畳のような小さなボックス型の防音室の場合、自分の体温で防音室がすぐ暖まり、息苦しくなりますので(0.5畳、0.8畳程度の防音室の大きさではエアコンも付けられません)、防音室の広さは0.8畳以上あった方が快適に防音室をお使いいただけると思います。
譜面台を置くスペースなども考えて、防音室の大きさを選ばれるとよいでしょう。
サキソフォン(サックス)の場合、アルトサックスやソプラノサックスのような中音・高音の方のサックスと、テナーサックスやバリトンサックスのような中音・低音の方のサックスでは、必要な防音の性能がかなり異なります。
テナーサックスやバリトンサックスは低音が出て、しかも音の大きさが非常に大きいので、音が壁をすり抜ける傾向が強くなります。
アルトサックスやソプラノサックスも音は大きいのですが、中高音の音域なので音が壁に反射する傾向が大きくなり、音は外に抜けにくくなります。
つまり、テナーサックスやバリトンサックスでは非常に遮音性能の高い防音室が必要ですが、アルトサックスやソプラノサックスは標準的な遮音性能の防音室で対処できるケースが多くあります。
さらに、遮音に関しては防音室内の広さも重要なポイントになります。
サックスは1畳ない広さでも練習ができる楽器ですが、室内の広さが狭い防音室では音の出るベルと防音室の壁が近くなることから、防音室の壁の遮音性能が発揮できにくいことが多々あります。
そのため、サックスの場合は特に、防音室本来の遮音性能を発揮するためにも広さ1.2畳以上の防音室をお選びいただければと思います。
大きな音のする楽器の代名詞ともいえるトランペットですが、音域が中高音のため、音が壁に反射して防音室の外に出にくいという性質があります。そのため遮音性能があまり高くない防音室でも比較的音が外に漏れにくい傾向があります。
またトランペットやトロンボーンなどベル(音の出口)の大きい楽器は、吹く向きによって音の大きさが大きく違ってきます。例えばベルの正面と横では約10dB近く音の大きさに違いがあります。
防音室の中で練習している状態でさらに音を配慮したい場合には、配慮したい方向と逆の方向にベルを向けて練習すると、より防音の効果が上がります。