ピアノを分解してみよう!
宮地楽器のピアノ技術者がピアノの構造、歴史を説明しながらピアノを分解。ピアノの仕組みを解き明かす「親と子のピアノ分解教室」には、大変多くの方にお越しいただきました。
部品を分解・組立てて構造を学んだり、調律体験もできたこのイベントの模様をレポートします。
分解教室を始める前にまず、ピアノの歴史を学びましょう。
チェンバロからピアノが生まれたこと、最初は「クラヴィチェンバロ・コル・ピアノ・エ・フォルテ(弱音も強音もだせるチェンバロ)」というなが〜い名前で、次第に大きな音が出るように改良されていったこと、モーツァルトの時代は5mmしか鍵盤は上下せず、鍵盤の数も少なかったので軽やかに指を動かすことが多かった・・・などなど。
ピアノにまつわるお話に、皆さん興味津津です。
「鍵盤1つにつき約80個ほどの部品からなっているピアノアクションは、鍵盤を押すとハンマーが弦を打って音が出るピアノの要です。
鍵盤が沈むとその力がアクションをとおしてハンマーに伝わり、テコの原理でより強い力となって弦を打ちます。」
ピアノの部品の役割の紹介後、いよいよ分解をしていきます。
分解は「上から下へ」が原則。鍵盤の上の“上前板”をはずしたら、ねじで“鍵盤押さえ”をはずします。
外装は意外と簡単にはずせることに皆さんちょっとびっくり。
鍵盤の下の“下前板”をはずすとピアノの全貌が見えます。
「アップライトピアノはグランドピアノを立てた状態。限られた高さのなかでなるべく弦を長く張るために、中音部と低音部の弦は交差して張ってあります。1台に20トンもの力がかかっているので、金属でしっかりと支えているんです。」
鍵盤を手に持つと、「意外と軽い」というのが皆さんの感想。
「複数の板を組み合わせて88鍵分の面積の1枚板にし、 鍵盤1本ずつに切り分けています。なので、板のつなぎ目がある鍵盤が見つかるはずです。真ん中でつりあうように切り削っているのもわかりますか?」
鍵盤についている番号どおりに戻していきましょう。
手で簡単にはめることができます。
ピアノに対して斜めに立ち、なるべく近寄って、チューニングハンマーをチューニングピンにはめます。
「右に回すと弦が張って音は高く、 左に回すと弦が緩んで低くなります。チューニングハンマーを回している時は、ずっと音を鳴らしておきます。」
参加された方から、こんな感想をいただきました。
「加減が微妙で難しい!」
「想像以上に力が必要なんですね」
「内部が細かくてびっくり。調律の 繊細さが良くわかりました」
・・・皆さん、それぞれ新しい発見があったようです。
上前板(ピアノの屋根)から順に外装をはずします。
「はずすのは上から下へ」の原則、皆さん覚えていますか?
鍵盤を叩くとその力加減がハンマーに伝わります。
ハンマーは弦を叩き、その振動が音となるのがピアノの仕組み。
ハンマーアッセンブリーとは、ハンマーが弦を叩く一連の機能を指します。
見づらいところにネジがあるので、取り外すのはけっこう難しいのです。
工具を使って小さなピンやねじをはずし、ハンマーアッセンブリーを解体していきます。 フレンジ、ハンマー、バット、シャンクなど多くの部品から成り立っており、それらがうまく組み合って機能しています。
解体したものを、新しい部品を使って再度組み立てます。木製なので1つ1つの部品に合わせて微妙な調整が必要です。
ボンドで接着しながら組み立てる部分もあります。
組み立てたハンマーアッセンブリーをピアノに取り付けます。ピアノの構造がだんだんと理解できてきましたね。
取り付け終わったらちゃんと音が出るかを確認。
「ねじを締める力加減が難しかった」などの感想をいただきました。
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