2023.09.20
ユニットタイプ防音室の設置について-2-
ユニットタイプ防音室の設置で考慮しておくことは何でしょう。
【 エアコンの設置 】
防音室は気密性が高いため、防音室内で長時間楽器演奏や作業を行うと室内は暑くなってきます。発熱の大きいPCや電子機器を使用している場合は特に暑くなります。
目的として歌の録音用に小型ブースを使用されている方は、録音への音の影響とスペース確保のことを考慮しエアコンを取り付けないことが多くあります。
その他の場合は、多くの方がエアコンを設置しております。
既存の部屋をエアコンで冷やして、換気扇により冷気を防音室内に引き込もうとしても、効果はほとんど見込めません。
既存の部屋のエアコンの有無は、空間の割合や部屋の使用目的や状況により計画します。
防音室内にエアコンの設置をする場合、室外機を置く場所と配管経路、配管用ダクトの位置などを考慮しなければなりません。ダクト(配管用の穴)位置は防音室内エアコンの設置高さとの高低差が関係してきます。
エアコン室内機で生じる水分をドレンホース経由で排水しなければなりません。
水が流れるよう傾斜をつけなければなりません。
エアコンの電源は室内機に対して供給します。
防音室用の電源コンセントとは別にエアコン専用で電源コンセントを確保します。
【 ピアノの設置 】
防音室内にピアノを設置する場合、楽器と防音室の大きさのバランスを考慮しなければなりません。
防音室のスペースをピアノがほとんど占有してしまう場合は、事前に設置向きを決めておく必要があります。
楽器の大きさの他、椅子の位置の確認と座るまでの動線の確保が必要です。エアコンとピアノの位置関係も考慮しなければなりません。空間に余裕があったほうがピアノの響きは豊かに聴こえます。
アップライトピアノは背面側に音が強く出ます。音漏れを気にされる壁面以外の方向に向けると良いでしょう。
防音室の完成後にピアノを設置する場合、扉(防音室入口)から搬入できないことがあります。防音室の組立と同時にピアノの設置を行います。
ピアノ以外にも大きなデスクや収納ケースなど、扉を通り抜けられないものは事前に設置しておきます。
【 FIX窓 追加窓 】
ユニット型防音室はドアにガラス窓が設けられています。それ以外に追加でFIX窓を設けることができます。
新品発注時に数量と位置を指定します。
窓を設けることにより、防音室特有の圧迫感が減り、日中の採光にもなります。お子様が防音室内で練習している姿も防音室の外から見ることができます。
FIX窓は開閉することはできません。防音室の遮音性能にあわせた性能で設計されています。基本的遮音性能が損なわれることはありません。
【 Wi-Fi環境 】
近年では防音室を楽器の演奏以外で使用される方も多くいらっしゃいます。動画配信やデスクワークのお仕事のスペースとして、音楽・映画鑑賞の部屋としてのご利用もあります。
インターネットの環境が必要になってきます。
防音室を設置前の部屋では使用できていたWi-Fiの電波も、防音室の中にまで届かない、または受信が弱くなる可能性があります。LANケーブル等の通信ケーブルを防音室の中に引き込むことも考慮しなければなりません。防音室の年式によりますが配線用の穴が天井に設けられています。細い線でしたらこれが利用できます。太い線材の使用や配線位置を限定する場合は配線穴施工を行うことができます。
宮地楽器 防音リフォーム事業部では、防音室導入のご相談いただいた際に、実際のお部屋の下見、採寸、配置図面製作を行っております。エアコンの取り付け他、防音室導入した場合の既存のお部屋の機能(クローゼット等)の変更、LAN・オーディオ配線引き込みなども含め、お客様と打ち合わせ、プランニングを行っております。