2023.10.19
家の床は防音室の重さに耐えられる?
防音室を設置するにあたり、不安な要素の一つとして挙げられるのが、「防音室の重さ」ではないでしょうか。ヤマハアビテックスのユニットタイプは、小さいもので約290kg、最大で960kg程の重さがあります。また、当然設置するお部屋には防音室だけではなく、本棚やテレビがあったり、防音室の中に楽器を置かれる方も多いです。
では、どのようにして考えればよいのでしょうか。
【床が耐えられる重さは何キロまで?】
建築基準法では、住宅の居室、住宅以外の建築物の寝室または病室は、180kg/㎡に耐えられるように定められています。これは建築基準法による最小値ですが、いずれにせよ一般的な住宅の床は、1平米あたり180kgまでは耐えることができるとされています。
【防音室の設置例】
例えば、6畳のお部屋にヤマハアビテックス3.0畳のDr-35、高壁モデルを設置し、防音室内にグランドピアノ(C3)を設置するとします。
・防音室本体:約596kg
・グランドピアノ(C3):約320kg
・エアコン本体:約10kg
・人間:約65kg
総重量は上記の通り約991kgです。そして、防音室は約5.21平米(外寸:1,884mm×2,766mm)ですので、この防音室の1平米あたりの荷重は約190kg(991kg÷5.21㎡)となります。
これでは、建築基準法を超えてしまっていると思われますが、実際には6畳のお部屋全体でこの防音室を支えているため(※お部屋の広さや設置場所、状況によります。)
このお部屋の耐荷重は、「180kg×約10㎡(6畳の平米数)=約1,800kg」と考える方が妥当ではないでしょうか。
実際、テーブル(ざっくり1㎡)に大人が3~4人集まることはよくあるかと思います。大人1人の体重を65kgとしても4人集まれば260kgになり、180kg/㎡を大きく超えることになりますが、床が抜けるなんてことはないはずです。
※ただし、木造戸建ての2階への設置に関しては構造上難しい場合もございますので、詳しくはご相談ください。
【住宅の劣化による影響】
建築基準法で平米180kg耐えることができるから大丈夫だ!
もちろんその通りですが、「全ての住宅が劣化せず、性能も建てた当初と変わらない」わけではありません。
経年劣化による床材の強度の低下や、シロアリによる影響もあるかもしれません。特に、床のきしみがひどい場合は床が劣化している可能性があります。
現状を確認したうえで、判断することが大切です。
宮地楽器 防音リフォーム事業部では、お客様のお悩みを細部までヒヤリングし、最適なご提案をいたします。また、現地の下見や採寸、図面の制作まで行い、ご相談から設置、その後のフォローまで行っております。