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2023.10.03

窓の防音

家の中で一番音が漏れやすい場所の一つ、それは「窓」です。

一般的に、木造の家の外壁の厚みは約150mm程度であるのに対し、住宅に使われる窓ガラスの厚みは3~5mm程しかありません。さらに、窓はガラスを透過して漏れる音よりも、サッシの隙間から漏れる音の方が大きいため、厚いガラスに変えるだけでは防音対策としては十分とは言えません。そこで、気密性の高い内窓サッシを取り付けることがおすすめです。

もちろん、防音室を導入することが一番の対策ですが、ご予算の都合や、「そこまでの防音対策は考えていない…」という人にとっては最適です。

【窓の種類】

普段の生活で一番よく目にするのは、「引き違い窓」と呼ばれるものですが、その他にも「滑り出し窓」や「上げ下げ窓」、「FIX窓」など様々な種類があり、それらの遮音性能は同じではありません。「引き違い窓」は、構造上サッシとその枠の隙間や、レール部分から音が漏れやすくなってしまいます。一方で、「滑り出し窓」や「上げ下げ窓」は引き違い窓と比べると隙間が少なく、遮音性能は高いです。また、「FIX窓」は構造上の隙間がないので遮音性能は高く、その性能はガラスの厚みで決まるともいえます。

【コインシデンス効果】

コインシデンス効果とは、簡単に言えば「ある一定の高さの音が、その物質を透過しやすくなる現象」のことで、音の周波数とガラスが振動する周波数が一致することで共鳴し、遮音性能が低下してしまいます。この現象は、主に高域で起こり防音対策の天敵ですので、注意が必要です。

対策としては、既存の窓ガラスとは異なる厚みの内窓サッシを取り付けることです。ガラスの厚みによって透過しやすい音の高さは異なるので、既存の窓ガラスでは軽減しきれなかった音を、異なる厚みの内窓サッシが軽減してくれます。その逆もまた然り、お互いの弱みを補い合うことができます。

【単板ガラスと複層ガラス】

窓ガラスは、必ずしも1枚でできている「単板ガラス」だけではなく、ガラスとガラスの間に空間を持たせた「複層ガラス」など様々な種類があります。

「複層ガラス」(真空ガラスではないもの)は、ガラス同士の空間がバネとなり振動が大きくなることで、主に低域~中域にかけて音が漏れやすくなる「太鼓現象」が起きてしまいます。そして、ガラス間の距離が狭いほど、透過率は大きくなります。 

そのため、同じ厚みの「単板ガラス」と比べると、低域~中域においては、「複層ガラス」の方が遮音性能が劣る場合もあります。また、ガラス同士が同じ厚さの場合、「コインシデンス効果」と「太鼓現象」の両方の影響を受けてしまうため、防音対策としては不十分です。

「内窓サッシを取り付けても、既存の窓ガラスと内窓のガラスの間に空間ができて、太鼓現象が起きてしまうのでは?」と思うかもしれませんが、既存の窓ガラスと内窓のガラスの間の距離(空気層)が大きいため、太鼓現象もある程度軽減できるのです。

いずれにしても、「既存の窓ガラスとは異なる厚みの気密性サッシ」「できるだけ距離を空けて」設置することが一番の対策といえます。

【遮音性能は高いほどいい?】

遮音性能は、高いに越したことはない!というわけではありません。防音室を設置する場合とは異なり、窓の防音では、それ以外の場所からは通常通り音がある程度漏れています。その状態で窓だけ遮音性能を高くすると、今度は家の壁など窓以外の場所から音が漏れているように聞こえてしまいます。

部分的な防音をする場合は、その箇所以外の遮音性能に合わせるように対策すると、その場所全体的から音が漏れにくく聞こえるようになります。

宮地楽器 防音リフォーム事業部では、お客様のお悩みを細部までヒヤリングし、最適なご提案をいたします。また、現地の下見や採寸、図面の制作まで行い、ご相談から設置、その後のフォローまで行っております。

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