ドラムなど打楽器は瞬間的に大きな音が出るので非常に防音しにくく、また音というより振動として周囲に伝わるため、さらに防音を難しいものにしています。
例えば、ドラム室として地下室を防音した場合、その防音した地下室の天井にも充分防音を施す必要があります。それを怠ると、音が上階(1階)に抜けてしまい、結局地下室の防音室の天井を再度工事し直すことにもなりかねません。 つまりドラムの防音計画には、特に上階への充分な防音の注意が他の楽器以上に必要となのです。
また、防音室内の響きもドラムなどの打楽器は特に音を吸音してなるべく響かないようにすることが必要です。
その他、ゴムマットを敷いて演奏中に楽器が動かないようにする、エアコンダクトやスリーブ、配管からの音漏れにも注意をしたり、ドラム室の防音の場合には細かな配慮が必要となります。
声楽、ヴォーカルの音域は楽器と比べて狭いのですが、音の大きさとしてはサックスなどと同じレベルの大きな音が出ます。
声の大きさということでは、大声コンテストで優勝する声の大きさは大体100dB程度ですが、プロの声楽の方の音量を測定しますとそれ以上の110dB近くの大きさが測定されます。そのため、防音室の性能も高いものが必要とされます。
声楽、ヴォーカルの方はご自分の声が天井から反射して良く聞こえるということも必要とされるケースが多く、防音室全体が声を反射するようにして、さらにできるだけ防音室内の室内高も高くとるようにします。また、防音室の中の音の吸音が強いと演奏者の喉を傷める場合もありますので、防音室の中の吸音は極力控えるようにしています。