新作の製作過程や、日常での出来事など、
菊田浩さんがクレモナから
近況を届けてくれています。
2022.11.25 クレモナ在住の製作家・菊田浩さんより近況が届いております!
菊田です、今回は手作りスピーカーのご紹介です。実は今年の前半に少し体調を崩してしまったのですが、体調が悪い時に無理に楽器を製作すると、仕上がりに影響してしまうので、この機会に、以前から欲しかったパソコン用のスピーカーを自作してみました。8センチのスピーカーを、木製の箱に取り付けただけのものですが、そこはヴァイオリン製作者、裏板に使うカエデをフロントパネルに使用しています。音はなかなかクリアで、特に、ヴァイオリンの音が綺麗に(笑)、
響いています。
(菊田浩)
2022.10.21 クレモナより菊田浩さんの近況です!
9月末、弦楽器見本市「クレモナムジカ」が開催され、イタリア弦楽器製作家協会(ALI)のブースにヴァイオリンを展示しました。昨年は渡航制限が厳しい中、海外からの来客が少なく寂しいクレモナムジカでしたが、今年は、宮地楽器さん初め日本からも多くのお客様が来られて賑わいました。ALIのブースでは、師匠のニコラ・ラッザリさん、奥様の伊東ラッザリ渚さん、そして兄弟弟子のアレッサンドロ・メンタさんと共に展示することができ、光栄で嬉しい時間を過ごしました。動画でもご紹介しましたので、ぜひご覧ください。 (菊田浩)
2022.09.01 クレモナの菊田浩さんより届いた最新のコラムです♪
私がクレモナに留学したのは2001年の9月でした。2001年9月と言えば、ニューヨークで起きた貿易センタービル事件が思い出されます。クレモナに到着した数日後にテレビで衝撃的な映像を目撃し、これからのイタリア生活が非常に不安になりましたが、製作学校ではロレンツォ・マルキ先生という良い師匠に巡り会い、素晴らしい仲間たちとの出会いもあり、不安の中でも希望あふれる留学生活をスタートできました。写真は、学校での製作実習の風景と、入学時に支給された学生証です。まだ髪の毛が黒い自分の姿を見ると、21年の時の流れを感じます。 (菊田浩)
2022.07.21 クレモナの菊田浩さんより近況が届きました!
7月、無事に61歳の誕生日を迎えることができましたが、年々、体力の低下を感じるようになり、写真のように、クレモナ郊外にある自転車用のサーキットで少しずつ走ってます。イタリアでは自転車は「国技」のようなもので、老若男女、自転車乗りというだけで一目置かれ、例えママチャリであっても自転車は常に優先されるので、日本に比べて車道を走りやすいのは助かっています。今年のクレモナは、連日35度越えの猛暑となっております。日本もさらに暑い季節を迎えま
すね、熱中症などお気をつけてお過ごしください。
(菊田浩)
2022.06.11 クレモナ在住の菊田さんより、近況が届いております♪
前回の近況報告でお知らせした大阪の展示会は無事に開催され、大勢のお客様にご来場いただき、ありがとうございました。私が展示したヴァイオリンは、2005年から宮地楽器さんの店頭にて見本品となっていた歴代の楽器たちでした。写真の左から2005年製作、中央が2011年製作、そして右の2021年製作のヴァイオリンが今年から見本品として店頭に並ぶこととなりました。宮地楽器さんにご来店の際は、ぜひお手に取って試奏いただければ嬉しいです。この3台についての話題をブログの記事でご紹介しましたので、ぜひご覧ください。 (菊田浩)
2022.04.18 クレモナの菊田さんより、近況が届いております!
写真は2019年、大阪の展示会に参加した時のものですが、翌2020年~2021年はコロナ禍の影響で全ての展示会が中止となり、私自身も2年以上帰国できない状況が続きました。2022年4月現在、依然としてコロナ問題は収束しておりませんが、感染対策を十分に行うことで大阪の展示会が開催できることになり(5月1日~2日)、私も3年ぶりに参加することになりました。展示会の詳細は、関西弦楽器製作者協会のHPにてご覧いただけます。この機会に、会場にてお目にかかれますのを楽しみにしております。 (菊田浩)
2022.02.25 製作家・菊田浩さんが、クレモナから近況を届けてくださいました。
自宅ベランダから見える風景です。近所の修道院の庭には桜の木が一本だけ立っていて、2月の終わりになるとツボミが膨らみ始め、3月下旬には満開の桜で華やかになりますが、春の到来を少しずつ感じるこの季節も良いものです。2020年の2月にクレモナの近郊で始まったイタリアのコロナ騒ぎも3年目に入りますが、今年こそは状況が落ち着いて、展示会などで皆様にお会いできる日を楽しみにしております。 (菊田浩)
2022.01.16 クレモナ在住・菊田浩さんの近況を掲載します!
ヴァイオリンのボディを閉じる前に、「焼き印」を押します。焼き印を押さない製作家も多いですが、私は、将来、楽器の真贋が問われた時の参考になるので、というか、「真贋が問われるくらいの製作家になりたい」という願望を込めて(笑)、押しています。焼き印は駒にも押すのですが、駒は交換されることが多いので真贋の参考にはなりません。また、製作コンクールでは楽器に焼き印は押せない規則なので、私の作品の中には、焼き印が無い楽器も存在します。 (菊田浩)
2021.09.25 クレモナ在住の製作家・菊田浩さんより近況が届いております!
クレモナで3年に一度開催される「トリエンナーレ弦楽器製作コンクール」にて、チェロ部門で根本和音さんが第1位ゴールドメダル、高橋明さんがイタリア弦楽器製作家協会(ALI)特別賞を受賞しました。日頃から切磋琢磨している仲間の活躍は本当に嬉しいものです。
そして、週末にはクレモナ・モンドムジカが開催され、ALIの展示ブースが久しぶりに復活し、私も作品を展示しました。アレッサンドロ・メンタさんを始め、クレモナの仲間たちと一緒に楽器を展示できるのは、とても光栄な時間でした。
(菊田浩)
2021.08.05 クレモナ在住の製作家・菊田浩さんより近況が届きました!
製作中のスクロールの写真を御覧ください、左が「ガルネリモデル」、右が「ストラディバリモデル」です。一般的に、ガルネリは大胆で荒っぽく、ストラディ バリは繊細で緻密と言われていますが、丹念に造形を追及していくと別な一面も見えてきます。ガルネリの大胆なウズマキの中に、繊細な曲線が隠れていますし、ストラディバリの緻密な造形の奥に、躍動的な力強さも感じます。私自身も、ヴァイオリンの内面的な美しさを表現できる製作家を目指し、これからも精進していきたいです。 (菊田浩)