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西村 翔太朗 工房だより 西村 翔太朗 工房だより

新作の製作過程や、日常での出来事など、
西村 翔太朗さんがクレモナから
近況を届けてくれています。

2024.06.08 西村翔太郎さんより、ドイツへの小旅行記が届きました!

先月、5月の半ばに、展示会に参加する為にドイツのケルンに行って参りました。
著名なコレクターさんが主催する、その年に招待された製作家が展示し、来場者も招待された音楽家さんと音大生のみというエスクルージブな展示会で、今年はクレモナから私が選ばれ参加する事となりました。
音楽家さんが貸与されている名器達を持ち込み、100人組み手の様にオールドとひたすら音を比べ続ける状態で、自分の楽器が数時間に渡って展示場所に無いという、今までにない面白い経験をしました。
展示した楽器はオランダのバイオリニストさんが、来年の展示楽器はコレクターさんのコレクションに入る事も決まり、大変嬉しいドイツ旅となりました。
ケルン名物のわんこ蕎麦スタイルで永遠に運ばれてくるコルシュビールで、まだ脳みそがアルコール漬けになっていますが、夢見心地なのはそのせいかもしれません。笑 (西村翔太郎)

2024.04.01 裏板の木目による違いとは?西村さんの投稿です!

先日、日本へ帰国し、お客様からのオーダーを頂いたビオラをお届けしました。このビオラはボディが42cmの大型で、裏板にはスラブカットのバーズアイが使用されています。「スラブカット」という言葉に慣れていない方もいらっしゃるかもしれませんが、楽器の写真を見ていただくと、通常の杢とは少し異なることが分かるかと思います。スラブカットとは製材の方法の一つで、日本語では「板目」と言います。通常見慣れている製材方法はラディアルカットと言い、日本語では「柾目」と呼ばれます。柾目は丸太を放射状にカットするのに対し、板目・スラブカットは丸太を横断してカットする方法です。このため、木の繊維が柾目と板目で90°ずれています。

クレモナのバイオリン製作の開祖であるアマティ家は、三代にわたりスラブカットを多用しており、特に装飾された楽器にはよく使用されています。恐らく、あまり目立たない杢が当時の美的感覚にマッチしていたこともありますが、何よりも当時の小規模な演奏形式に、スラブカットの特徴的な音質がマッチしていたと思われます。

では、スラブカットの特徴とは何でしょうか。スラブカットは通常の製材とは90°ずれているため、木材の細胞壁を構成するミクロフィブリルが多く剪断され、とても柔らかくなります。振動に対する硬さを表す数値の1つに弾性係数がありますが、広葉樹では、板目と柾目では約60%の違いがあるため、音質に大きな影響を与えます。これにより、高周波域をより吸収し、深く柔らかく広がる音を実現します。

この特性が1600年代までの演奏様式にマッチしていたと考えられます。その後、ストラディヴァリなどの演奏規模がどんどん大きくなっていく世代では、スラブカットはほとんど使われなくなりました。しかし、ビオラでは例外的に使用され続けて来ました。
ビオラは1700年代半ばまで、現代と同じサイズのビオラ・コントロアルトと、超大型のビオラ・テノーレと2種類があり、バイオリンを支える音質のビオラ・コントロアルトと、チェロに寄り添うビオラ・テノーレといった様に、同時に使われることもよくありました。しかしビオラ・テノーレがあまりに巨大で演奏が困難な事から徐々に廃れて、現代のビオラにはバイオリンの高音とチェロの低音を同時に実現する事が求められる様になりました。そこでスラブカットの特性が活きてくるのです。
ビオラの柔らかく深い音を好む方には、スラブカットを検討してみてはいかがでしょうか。 (西村翔太郎)

2023.12.16 西村翔太郎さんより、最新の投稿です!

日本を代表するバイオリニスト豊嶋泰嗣さんに、2台目のバイオリンをお納め致しました。

以前からお使い頂いていたストラディヴァリ1715年「クレモネーゼ」のベンチコピーに対して、今回はガルネリ1741年コチャンスキーモデル。双子の楽器と言われている、同じ年に同じ木で製作された楽器の詳細なデータもあることから、ガルネリの特徴的な音響特性の再現することができ、1台目とは性格が全く違う楽器となりました。こちらも早速、協奏曲のソロなど、大きなコンサートで使って頂いてるようです。

これほど著名な方に2台も所有して頂き、どちらもメイン楽器として活躍していることは、現代製作家には稀有な事で有り、長年「音」に寓直に拘泥してきたことが報われる思いです。 (西村翔太郎)

2023.10.16 西村翔太郎さんから、ガルネリについての考察が届きました…!

この業界には都市伝説というものがとても多く存在しています。それは200年にもわたり楽器商の人達が、名工たちを神秘的に語り付加価値を上げてきた「神秘主義マーケティング」が行われてきたからです。歴史研究がとても進んでいる現代においても、未だに一般の解説文などには事実かの様に都市伝説が語られており、関連書籍などを読んでいらっしゃる楽器には詳しいと胸を張るお客様との会話ほど、訂正せざるを得ない事が多々あります。
私は近年、お受けする注文の大半をガルネリ・デル・ジェスのモデルが占めているのですが、名前の由来についての話になると、必ずと言ってよい程、有名な都市伝説が出てきます。それはこのようなものです。
「ガルネリ・デル・ジェスは本名ではなく、デル・ジェスは直訳すると『神の』という意味だが、彼が一時期犯罪を犯して刑務所に入っており、当時のクレモナの隠語で牢屋の罪人をデル・ジェスと呼んでいた事に由来する」
この説明が未だに様々な本や雑誌に書かれ、とある海外オーケストラのホームページには、はっきりと殺人を犯したとの記述まであります。最近、日本の楽器店さんがメディアに語っているのも目にしましたし、ジブリの映画「耳をすませば」でもそれをイメージしたであろうシーン(実は宮崎駿の次男が描いている!)が出てくるほどです。
もはや、定説となってしまっているのかもしれません。
現在のクレモナでは、教会や国会図書館に残る資料を徹底的に精査しており、ガルネリ・デル・ジェスの半生は有る程度わかっていますが、刑務所にいた事実は一切ありません。また、クレモナの古い隠語でデル・ジェスと言う言葉も存在しません。
この様な都市伝説が出てきたのは恐らく、1720年代後半の数年間、実家から出て少し楽器製作から離れていた空白期間がある為、また、ガルネリ・デル・ジェスの楽器が狂気ともいえる造形であり、破天荒な人柄というイメージがしっくりくる為に、その様な都市伝説が出来たのだと思います。実際はこの期間に不動産投資をしたり、司祭の財産管理人になったり、父親の借金の借り換えに奔走するなど、当時の大不況を生き延びようとする精力的な青年だったのですが。詳しくはまた別の機会に。
では何故、ガルネリ・デル・ジェスと呼ばれるようになったのでしょうか。歴史上、最初にガルネリ・デル・ジェスの表記が出てくるのは、1700年代後半の史上初めてのバイオリンコレクターであるコッツィオ伯爵の手記の中です。本名はBartolomeo Giuseppe Guarneri バルトロメオ・ジュゼッペ・ガルネリと言い、バイオリン製作一族ガルネリ家の三代目にあたります。
この一族は三代に渡りとても子沢山だったのですが、名前のバリエーションが少なく、似たような名前や同じ名前の人が何人も居て、ニ代目であり、ガルネリ・デル・ジェスの父親の名前もジュゼッペ・ガルネリです。
この同じジュゼッペがとてもややこしく、1800年代初頭まで、どちらもジュゼッペ・ガルネリと呼び混同されてしまう事が頻発していました。 それを避ける為に、三代目を上記の様に1700年代後半から一部で使用されていたあだ名の「Guarneri del Gesù ガルネリ・デル・ジェス」または「Giuseppe (del Gesù)Guarneri 」の様に統一して表記する事が一般的になっていきました。
ではその由来は何だったのでしょうか。
それは彼のラベルにあります。彼の1730年辺りから使いだしたラベルには写真の様なシンボルがあしらわれています。これはイエズス会が使用している十字架のモチーフにIHS、救世主イエスのラテン語の頭文字があしらわれている事から、神のガルネリ、ガルネリ・デル・ジェスと呼ばれるようになりました。
この由来となったシンボルはイエズス会の十字架にIHSの文字と同じ事から、ガルネリ・デル・ジェスはイエズス会の信徒であったとも言われてきましたが、イエズス会の紋章に必ず入っていなければならない放射状に並ぶ三本の釘が無い事、そして、完全に工房を独立した時から使用し始め、祖父や父親のラベルには工房の地区を示す教会の名前を入れていた事から、住んでいた教区のサン・プロスペロ教会が掲げていたサン・ベルナルド修道会のシンボルではないかとも考えられています。
長くなりましたが、都市伝説を否定するには事実関係を丹念に並べる必要がある為に、放置されてしまっているという側面もあります。
少しでもこのように発信をし、過去の名工たちの正しい歴史的評価が進むことを願っております。 (西村翔太郎)

2023.08.01 西村修太郎さんの「工房だより」第一号です!

日々、様々な方から質問を頂いております。先日、日本でバイオリンを研究されている方から、ご質問を頂きました。数年前に日本のテレビ番組で、バイオリン製作の最前線を追ったドキュメンタリーがあったようで、そこで紹介されていたアメリカの研究について、今また改めて違う番組で言及する様で、ご質問を頂いた次第です。
それは、10年ほど前にバイオリンの物理解析の第一人者であるビッシンガー氏が提唱した「Balance Chi 氣」についてでした。氣とはあの氣功の氣のことです。初めて読んだ時には、物理学の大御所が遂に難攻不落のバイオリンの解明を諦め、神秘主義というこの業界にはびこる「甘い罠」に陥ってしまったのかと落胆したものです。しかし読み進めてみると、その突飛なネーミングとは裏腹に、しごくまっとうな論説でした。それは要約すると、エネルギーを増幅する系において、エネルギーの入力の位置と重心の位置をコントロールすることの重要性と、バイオリンでの検証を促すというものでした。楽器の重心については私も2017年にブログで言及しております(URLご参照ください)。これに触発されたアメリカの楽器のマイクロCTスキャンを得意とする研究チームが、幾つかの名器を解析しており、この研究チームの専門誌での発表では、名器は表板の重心と駒の位置、裏板の重心と魂柱の位置、楽器の内包空間の容積の中心と魂柱の位置、この三つの一致率が非常に高いと主張しています。今回うけた質問を聞く限り、日本の番組では、これをもって「ストラディバリの秘密を解明した!」といった内容で放送したいようなのです。重心を意識して製作をしている製作家であれば、誰しもが分かっている事なのですが、よほど伝統的な手法から離れた事をしない限り、重心はその位置に自動的に来ます。ストラディヴァリとは全く違うコンセプトで作られた、ガルネリデルジェスや、ルジェーリのチェロであってもです。秘密でも難しい事でもありません。これはどういう事を意味するか。それは、天才ストラディバリが編み出した「秘密」などではなく、弦楽器が古代オリエントで様式化してからバイオリンへと進化する1000年のあいだ、数えきれないほどの名もなき楽器製作家達が、理想の音を求めてトライ&エラーを繰り返し到達した賜物であり、人類の叡智なのです。ストラディバリの秘密と言って一人の「天才の神秘」に集約させてしまうには、余りにもったいない事なのです。1年に1回は必ずどこかのメディアで「ストラディバリの秘密を解明」という見出しが躍りますね。歴史哲学者ウォルター・ベンヤミンはこう書き残しています。
「有名な人の歴史を語るより、無名な人々の歴史を語る方が難しい。歴史は無名の人々の記憶に捧げられる。」大手メディアの方々、過去の偉人を神秘的に語る分かりやすい記事や番組も良いですが、無名の人々を讃える人類賛歌を詠ってみませんか? (西村翔太郎)

2023.01.21 西村翔太郎さんより、2023年最初の投稿です!

様々なことが起きた2022年も明け、今年こそは平穏が訪れることを心から願っております。個人的には、昨年は新たなことに沢山挑戦した一年でした。クレモナ市の至宝であるストラディバリのバイオリン・1715年製「クレモネーゼ」のコピー楽器を製作したほか、新たなチェロのモデルの設計・製作にも着手しました。この20年ほどの新作チェロは横に幅広いモデルがトレンドですが、このタイプは「音が広がりやすく、D線の音量が歪みやすい」「A線とC線を弾くとき、弓がチェロのフチやコーナーに当たってしまう」という弱点があります。そのため新たなモデルは、しっかりと芯のある音色とバランスのある音量を持ち、演奏しやすい設計にすることを目指しました。最終的に、フランチェスコ・ルジェーリと初期のストラディバリのモデルを混ぜて修正するという結論に達しました。目論見が功を奏し、著名なソリストであり、京都市交響楽団の特別ソロ首席を務める、山本裕康氏にお納めすることが出来ました。今年も「プロの即戦力になる新作楽器」をこれからも追求していく所存です。 (西村翔太郎)

2022.11.11 クレモナの西村翔太郎さんの近況です。今回のテーマは「食」!

イタリアも木々が黄色や赤く染まりだし、すっかり秋が深まってきました。芸術の秋や食欲の秋と言いますが、芸術と食はとても相性がいいようで、美食家であった芸術家は沢山います。音楽家も御多分に漏れず、美食家で知られた作曲家のロッシーニなどは、パリで食通が集まるサロンを開き、彼のお気に入りであったステーキのレシピには彼の名前が冠されています。バイオリニストでは、史上初の国際的なスターとなったパガニーニも食に強いこだわりがあったようで、現存している手紙で何度も食について話題にしています。その中でも彼の強いこだわりが最もよく表れている手紙が、アメリカ国会図書館に保管されている、1836年に友人のルイージ・ジェルミに宛てた手紙です。そこには、彼の故郷ジェノヴァの郷土料理「raieü cou tuccuジェノバ風ミートソースのラヴィオリ」のレシピを、情感たっぷりに書き残しています。ジェノヴァ風ミートソースの特徴は、ボロネーゼの様に挽肉を使うのではなく、大きな固まり肉をくずれるまで煮込んで作る事です。しかし、パガニーニが書き残したレシピにはもう一つ特徴が有りました。それは、ラヴィオリの中に詰める具材に「仔牛の脳みそ」を使う事です。意外に思われるかもしれませんが、イタリアでは脳みそスーパーでも売っている食材です。しかし、イタリア人にとっても若干抵抗がある為、それをあえて食す人はやはりかなりの食通です。本来、ジェノバの郷土料理であるこのラビオリは、現在では「パガニーニのラビオリ」とも呼ばれるようになりました。詳しいレシピの翻訳は本文の下にURLを載せております。親切なパガニーニは、脳みそではなく雄鶏を使う事も提案しています。芸術と食の秋、是非お試し下さい! (西村翔太郎)

2022.09.21 クレモナの製作家・西村翔太郎さんの最新投稿です!

今回も頂いた御質問にお答えするシリーズです!最近、お二方から「ストラディバリのニスのオリジナルの色はどういう色か?」という御質問を頂きました。現在のストラディバリの殆どは修復の過程で塗り直されており、オリジナルのニスが残っている箇所はとても少ないのですが、それをもとに色の推測や再現が可能か、ということです。ストラディバリのニスには、基本的には茜から作った赤いアリザリン顔料が入っています。一方でアマティ家は決して赤い顔料は使わず、鉱物系の茶色い顔料のみを使用していました。しかし実際にアマティ家の楽器を見ますと、若干赤味を帯びています。これはオイルニスの酸化による変色のためです。つまり、アマティ家が当初に意図した色ではない可能性が高いのです。一昨年、ストラディバリの1689年Toscanoという楽器の解析がクレモナバイオリン博物館で行われたのですが、この楽器は赤オレンジといった色調で見え、実際に色彩を計るコロリメーターで数値化しても赤味がしっかりと出てきました。しかし、ニスを解析したところ、顔料が一切検出されず、シュウ酸ナトリウムが多く検出されました。オイルニスの成分がかなり酸化して赤い色が付いたのではないか、と考えられます。一方で同じ時期のストラディバリの作品には、アリザリン顔料がたくさん見つかる楽器もあります。つまり、ストラディバリは楽器ごとに色味を変えていて、さらに現在では、完成された当時とは違う色味になっている、ということがわかるのです。ストラディヴァリのオリジナルの色はもう存在していませんが、ニスが経年変化することはまた、バイオリンの一つの魅力でもあると思います。 (西村翔太郎)

2022.08.11 クレモナの西村翔太郎さんより近況が届いております!

バイオリンの研究と聞くと、音響学やニスの解析などの科学分野を思い浮かべる方も多いと思いますが、歴史研究も盛んに行われており、実は毎年新しい文献が発見されるなど、歴史研究の方がダイナミックに進行している程です。先日の博物館で行われたカンファレンスでは、歴史的な3人の人物の繋がりを示す意外なエピソードが出てきました。それは、天動説を唱えたかのガリレオ・ガリレイ、オペラを初めて作曲した作曲家クラウディオ・モンテヴェルディ、そしてバイオリン製作家ニコロ・アマティです。1637年から交わされた手紙によると、ガリレオがバイオリンを弾いていた孫娘の為にバイオリンを探しており、友人であったモンテヴェルディに意見を聞いたところ「ブレーシャ製の楽器は直ぐに手に入るがクレモナ製の品質は比べ物にならない。12金貨で買える」とクレモナ製の楽器を勧めています。ガリレオはその助言に従い、ニコロ・アマティに注文を入れています。ところが、何が有ったかは定かであ有りませんが数年待たされた挙句、最終的には14金貨に値上がりしていました。偉大な天文学者も、製作家の我儘には付き合わざる得なかったようです。歴史研究はまだまだ進んでおり、謎の製作家ドン・ニコロ・アマティとアマティ家との本当の関係や、ブラザーアマティの兄弟喧嘩など、次々と明らかになってきています。そんな歴史研究は面白い反面、自分も将来どう語られるのか、少し背筋が寒くもなります。 (西村翔太郎)

2022.07.01 西村翔太郎さん最新号! 【アルゲリッチ氏と新作楽器】

こんにちは。前回に報告させて頂きました様に、今年の初めに、クレモナのバイオリン博物館が所蔵するストラディヴァリの名器「クレモネーゼ」のベンチコピーを製作し、著名なバイオリニストである豊嶋泰嗣氏が早速コンサートで使用して頂いておりますが、先日、また嬉しいニュースが飛び込んでまいりました。世界的なピアニストであるマルタ・アルゲリッチ氏とのコンサートに豊嶋氏が私の楽器で登壇された所、コンサート後にアルゲリッチ氏が豊嶋氏の元へ何の楽器を使っているのかと尋ねて来られ、新作楽器だと知り大変驚いたとの事でした。丁度その瞬間を御友人の方が写真に収めていたとの事で、ご報告と共にその写真を送って頂きました。名器を使う世界的なバイオリニストと共演し続けているマルタ・アルゲリッチ氏の、新作楽器へのイメージを覆せた様で、大変嬉しく思うと共に、長年積み重ねてきた音響研究の成果を、世界に認めて貰えたようで、達成感を感じる出来事でした。 (西村翔太郎)

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