新作の製作過程や、日常での出来事など、
天野 年員さんが京都から
近況を届けてくれています。
2021.06.05 京都在住の日本人製作家・天野年員さんより、近況が届きました♪
これはゾケットといいます。2枚目の写真にあるように形成されて、側板のとがった部分4個と上下各1個、合わせて6個の柱のようになります。ストラディバリは柳の木、他の多くの製作家は表板と同じスプルースを使用しています。私は両方の材で軽い物から重い物までいろいろ試しましたが、音に変化は感じませんでした。私のマエストロは、表板に使うには音響的に質が低い木を手にしながら「こういう木は(捨てずに)ゾケットに使うと良い」と教えてくれました。その意味を実感するのに、それから15年以上の経験を要したということですね。
宮地楽器小金井店では、たくさんの手工バイオリンが試奏できます。ぜひお試しください。
(天野年員)
2021.04.16 京都在住の日本人製作家 天野年員さんより近況が届きました♪
今年最初のバイオリンが完成しました。調整を終え新しい弦に張り直してからお客様にお渡しします。ところで、ドミナントのパッケージは、音に先入観を抱かせない良いデザインだと思いませんか。赤色や青色の袋に入っていると、どうしても音に色が付きますよね。バイオリンは値段や古さ、イタリア製や日本製など、エフェクターのてんこ盛りです(笑)。先入観を持たずに音を聴くのは簡単ではありませんが、素直な気持ちで楽器と接したいものです。
私のバイオリンを使ったコンサート動画や試奏音源が宮地楽器HPより発信されています。ぜひご視聴ください。
(天野年員)
2021.02.25 京都在住の日本人製作家 天野年員さんより近況が届きました!勉強になります…ぜひお読みください♪
写真は表板の厚みを削っているところです。この材は非常に軽量ですが、その割に曲げたときの手ごたえはそこそこあるという良材の典型です。ただし学校で習った厚みに仕上げるとぐにゃぐにゃになり、音は柔らかいのですがボーボーと輪郭のぼやけた音の楽器になるでしょう。このあたりの手加減こそが製作家の技量だと思います。
ちなみにバイオリンに使われる木は、100年経っても体感できるほど軽くなったりはしないと私は考えています。「オールドは木が枯れて(乾燥して)軽い」は?ですよ。正しい知識で気に入った楽器を選んでください。
私の作ったバイオリンは宮地楽器小金井店で試奏できます。
(天野年員)