リコーダー 2022
2022年は、ソプラノリコーダーではあまり数がないバロックピッチの新商品を新たに発売するとともに、どのメーカーでもおそらく扱ったことのない新しい木材『チンチャン』『サティーネ』を使用したリコーダーなど、新たに5機種を発売致しました。
いずれも大変ご好評頂き、関東圏の方だけでなく、遠方のお客様にもお買い求め頂きました。
宮地楽器オリジナル モダンピッチ ソプラノリコーダー MSRS-1045 ステインズビーJr.モデル
71,500円
ピッチ | A=442Hz |
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モデル | ステインズビーJr.モデル |
材質・ 仕上げ |
チンチャン |
宮地楽器オリジナル モダンピッチ ソプラノリコーダー MSRS-1095 ステインズビーJr.モデル
71,500円
ピッチ | A=442Hz |
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モデル | ステインズビーJr.モデル |
材質・ 仕上げ |
サティーネ |
宮地楽器オリジナル バロックピッチ ソプラノリコーダー MSRS-1175 テルトンモデル
117,700円
ピッチ | A=415Hz |
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モデル | テルトンモデル |
材質・ 仕上げ |
御蔵島黄楊 |
宮地楽器オリジナル モダンピッチアルトリコーダー MSRA-2045 ステインズビーJr.モデル
113,300円
ピッチ | A=442Hz |
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モデル | ステインズビーJr.モデル |
材質・ 仕上げ |
チンチャン |
宮地楽器オリジナル バロックピッチアルトリコーダー MSRA-2145 ステインズビーJr.モデル
176,000円
ピッチ | A=415Hz |
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モデル | ステインズビーJr.モデル |
材質・ 仕上げ |
チンチャン |
2022年のモデルについて、
製作担当の徳永さんに
話を聞いてみました
リコーダー製作家 徳永 隆二
株式会社鈴木楽器製作所にて30年にわたりリコーダーの設計、製作を担当する。
2017年、浜松に「リコーダー工房
Tokuryudo」を開設。日々製作意欲を燃やす、日本を代表するリコーダー製作家である。過去の宮地楽器オリジナルシリーズは、すべて彼の手によるものである。
2022 新モデル
バロックピッチ
ソプラノリコーダー
A=415Hz
テルトン(Engelbert Terton,1676~1752)
2019年宮地楽器オリジナルリコーダーとして、テルトンのモダンピッチソプラノリコーダーを発表しました。
2022年は、テルトンのバロックピッチソプラノリコーダーです。
テルトンはバロック時代のリコーダー製作家で、現存するソプラノリコーダーがとても有名です。(写真上)
頭部管と足部管に美しい銀の装飾が施してあり、その美しさも相まって、ソプラノリコーダーといえばテルトン、というほどの人気を博しています。(銀の装飾はブロック歌口部にも施してあります。)
今回はモダンピッチの時と同様、材質は御蔵島黄楊です。ただし、よりお求めやすい価格を実現するために銀の装飾はありません。低音から高音まで艶のある豊かな響きが特徴で、ソロはもちろん、合奏でも高いポテンシャルを発揮してくれると信じています。
新材質
チンチャン / サティーネ
2022年はリコーダーの木材にもこだわり、チンチャンでモダンピッチのアルトリコーダーとソプラノリコーダー、サティーネでモダンピッチのソプラノリコーダーを発表しました。モデルはいずれもステンズビーJr.です。
以下、木材についてご説明します。
チンチャン
チンチャンの産地は、タイ、ミャンマー、ラオスです。右の写真のとおり、赤茶系の深みのある色をしています。比重は1.0~1.1と重く、黒檀やローズウッドなどの材質と同等です。場合によってはローズウッドより重く、緻密さ、色合い、比重、などなど、リコーダーの材質にとても適した木材だと思います。今までリコーダーの材料として一般的に使われてこなかったのが不思議なくらいです。
このチンチャン、日本では『縞紫檀』『手違い紫檀』と呼ばれているそうです。
『手違い紫檀』とは、何ともまあ不名誉な名前を付けられていますが、実際にこのチンチャンでリコーダーを製作してみると、『手違い』どころか、『これこそ紫檀』、と言ってもいいくらいだと思います。
製作しているとローズウッドと同様バラの香りがしてきます。音色は緻密で奥深いと同時に軽やかさも発揮できる、そんな不思議な木材です。展示されているチンチャンのリコーダーを是非試奏してみてください。そしてここに書いてあることを実感してください。
サティーネ
サティーネはかなり赤みを帯びた色調の木材です。比重が1.0前後と重く、また、目も詰まっていて緻密です。黄楊も緻密ですが、加工性はサティーネの方がいいように感じます。
木材の特性(重くて緻密)どおりの音色で、張りのある明るくふくよかな音色です。個人的には、『サティーネ』という名前も気に入っています。リコーダー仲間に「そのリコーダー、材質は何?」と聞かれたとき「サティーネ」と答える、それだけで何となく粋というかお洒落というか、そんな感じになりませんか。
私だけかなあ。
木材についての雑感
ワシントン条約(CITES)による規制により、近年(といってもだいぶ前からですが)リコーダーに使用出来る木材の種類が徐々に狭まってきています。そして今後も狭まってくることが予想されます。 2022年発表の新木材、チンチャン、サティーネは、国内在庫がそれなりにあるため、CITESをあまり意識することなく国内向けのリコーダーを製作することが可能です。
そして、この2つの木材でリコーダーを作って、思いました。リコーダーの木材として現在一般的な木材以外にも、リコーダーに適した木材はまだまだ沢山ある、と。そして今後はさらに新しい木材のリコーダーが増えてくると思われ、私たちはこれまで以上に違う材質のリコーダーを楽しむことができる、とも言える訳です。CITESのお陰でリコーダーを吹く楽しみが一つ増えた、と、ここはCITESを前向きに捉えることにしましょう。そして、まずはチンチャン、サティーネでその楽しみを味わってみましょう。
宮地楽器
オリジナルリコーダー
ラインナップMiyaji Original Recorder LineUp
御蔵島黄楊ストーリー
宮地楽器オリジナルリコーダーの主軸原料である御蔵島黄楊(つげ)。
海外メーカーにはない日本ならではの御蔵島黄楊の魅力を、製作担当の徳永氏に解説してもらいました。
リコーダー関連情報Additional Information
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小金井店 YouTube
【リコーダー】木製リコーダーの魅力を、演奏や解説をまじえて動画でお届けします。
※動画内の価格は撮影当時のものとなります。
現在の価格は宮地楽器オリジナルリコーダーページで
ご確認ください。