宮地楽器

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中川 つよし講師監修
宮地楽器オリジナル
リコーダー 2024
2024年 オリジナル リコーダー 2024年 オリジナル リコーダー

2023年の歴代宮地楽器オリジナルリコーダーシリーズ総復習を経て、
2024年にはまた新たにデンナー・モデルを採用したバロックピッチアルトを2機種製作いたしました。
デンナー特有のエレガントなフォルムと、澄んだ音色が魅力です。

バロックピッチアルトリコーダー MSRA-2153

宮地楽器オリジナル
バロックピッチ アルトリコーダー
MSRA-2153 ヤコブ・デンナーモデル

220,000円(税込)

ピッチ A=415Hz
モデル ヤコブ・デンナー
材質 グラナディラ
その他 サムホールリング付き
バロックピッチアルトリコーダー MSRA-2155

宮地楽器オリジナル バロックピッチ アルトリコーダー MSRA-2155 ヤコブ・デンナーモデル

192,500円(税込)

ピッチ A=415Hz
モデル ヤコブ・デンナー
材質 御蔵島黄楊
その他 サムホールリング付き

2024年のモデルについて、
製作担当の徳永さんに
話を聞いてみました

徳永 隆二氏 徳永 隆二氏
リコーダー製作家 徳永 隆二

株式会社鈴木楽器製作所にて30年にわたりリコーダーの設計、製作を担当する。
2017年、浜松に「リコーダー工房 Tokuryudo」を開設。日々製作意欲を燃やす、日本を代表するリコーダー製作家である。過去の宮地楽器オリジナルシリーズは、すべて彼の手によるものである。

ヤコブ・デンナー
(1681 – 1735、ドイツ)

今回、設計の元となったリコーダーは、ヤコブ・デンナー作で、ロイヤル・カレッジ・オブ・ミュージック所蔵の、ヘッドとフットに装飾が施された総象牙のリコーダーです。

ロイヤル・カレッジ・オブ・ミュージック所蔵のヘッドとフットに装飾が施された総象牙のヤコブ・デンナーリコーダー

ピッチ

バロック時代のオリジナルリコーダーのピッチは、A=405~410Hzが多いのですが、設計の元となったリコーダーのピッチは417Hzで、現在のバロックピッチの415Hzとほぼ同じです。

内径

ヘッドは他のオリジナルと比べて少し太く、そして円筒です。テーパー*がついていません。
ミドルとフットは少し細く、フットはかなり絞られ、その後ラッパ状に広がります。図面を描いた時、はたしてこのような内径で大丈夫かと一瞬思いましたが、信じてリーマー(内径を削る工具)を製作したところ、全く問題はありませんでした。
図-1)は内径を比較したグラフです。いずれも設計値ですが、それぞれのリコーダーで内径に特徴があることが見てとれます。特にデンナーは大きく違っていますね。
*テーパー:徐々に細くなること。リコーダーでは内径が徐々に細くなることをいう。

(図-1)ステンズビーJr、ブレッサン、デンナーの内径比較 (図-1)ステンズビーJr、ブレッサン、デンナーの
内径比較

指孔

指孔径は他のオリジナルリコーダーに比べて少し小さめです。
また、アンダーカットもそれほど大きくありません。
比較のため、最終的な指孔径設計値を<表-1>に上げておきます。

<表-1>デンナーとステンズビーJr. 指孔径の比較 <表-1>デンナーとステンズビーJr. 指孔径の比較

外形

全体的に細めです。歌口部はかなり絞られ、見た目がアヒルぐち形状になっています。フットの先端も細めです。

MSRA-2153、2155の設計

内径 → ほぼオリジナルどおり
外形 → 全体のシェイプを崩さない程度に、オリジナルよりも少し太め。装飾なし。
指孔 → ほぼオリジナルどおり

材質

オリジナルは象牙ですが、象牙を使用するわけにもいかないので、リコーダーの材料の中では重めのグラナディラを採用しました。また、宮地楽器オリジナルリコーダーでよく採用され、実績のある御蔵島黄楊もラインナップに加えました。グラナディラとは違った吹き心地をお楽しみ頂けると思います。
ここで一つ皆さんに有益な情報です。現在グラナディラは、とても入りにくい材料になっています。今のうちにこのフェアで宮地楽器オリジナルのグラナディラ製デンナーを手に入れることをお勧めします。

徳永氏から最後に

これまで、宮地楽器オリジナルリコーダーとして、ステンズビーJr.、ブレッサン、ステンベルゲン、テルトンソプラノと、A=415Hzのリコーダーを設計し作ってきました。
今回のデンナーは、結論から言うと、とても簡単に作れました。
ただし、これまで設計してきたリコーダーとは内径が大きく違っていたので、試作第1号を作って音を鳴らすまではとても不安でした。修正点がなかったとは言いませんが、殆ど問題なく完成したのです。
正直、楽にできたのですが、逆にリーマー製作に取りかかるまで、他のリコーダーを設計するとき以上に試行錯誤し、本当に大丈夫かどうかを検証する事に多くの時間を費やしました。
皆さん、リコーダーの優等生(私はそう思っています)であるデンナーを、宮地楽器オリジナルのデンナーで楽しんでみませんか。

宮地楽器
オリジナルリコーダー
ラインナップMiyaji Original Recorder LineUp

御蔵島黄楊ストーリー

宮地楽器オリジナルリコーダーの主軸原料である御蔵島黄楊(つげ)。
海外メーカーにはない日本ならではの御蔵島黄楊の魅力を、製作担当の徳永氏に解説してもらいました。