永い友として

• ピアノがすぐ埃だらけになってしまいます。上手なお手入れ方法は？
• 毛ばたきとカラ拭きで、こまめにお掃除を。
• こまめにお掃除するのがもっとも確実で適切なお手入れです。
  埃には微細な砂粒も混じっています。シリコンクロスで最初に全部拭き取ろうとすると、知らないうちに塗装の表面が擦れてキズをつけてしまうことになるので、まずは毛ばたきでザッと埃を払い落としてから艶出しワックスをかけ、最後に乾拭きするときれいになります。
• 化学ぞうきんは使ってもいいですか？
• 化学ぞうきんに含まれている薬品で塗装が傷むので、使わないでください。
• 化学ぞうきんは埃をよく吸着するので効果的に思われがちですが、ピアノの表面を保護しているポリウレタンの膜が薬品と反応して、ピアノ表面を傷めてしまいます。
  表面が白っぽくなってしまうと、どんなに磨いてもツヤはもどりません。
• 付属のワックスをかけても全然ツヤがでなくなってしまいました…。
• 専用クリームで油膜を落としてから、ワックスをかけます。
• 料理中の油分やタバコのヤニが原因と思われます。何年も経つと塗装の表面に油膜がかかるので、ツヤ出しワックスだけでは落とせなくなります。
  メーカー純正の研磨剤の入ったクリーム（ピアノコンパウンド）で油膜を落としてからワックスをかけると、美しいツヤがもどります。調律の際にお申し付けいただければ、外装のクリーニングも承ります。
• 市販の家具用ワックスに“ピアノにも可”と書かれていますが、使っても大丈夫ですか？
• お使いにならないほうが安全です。
• ピアノの塗装にはいくつもの仕上げ方法があり、それらに適したワックスを正確に選ぶ必要があります。また市販のワックスは成分がはっきりとわからないので、使わないほうが無難です。 ピアノメーカーは自社の塗装原料にあわせたお手入れ用品を販売していますので、それをお使いになるのがもっとも安全で、ピアノの美しさも保てます。
  ご自宅のピアノの塗装がどういう仕上げかわからない場合は、ピアノ技術者にお尋ねください。
• 子どもがピアノに落書きしてしまいました。自分で落とせるでしょうか？
• 無理に落とそうとせず、ピアノ技術者にご相談ください。
• 使用する薬品がピアノの塗装と相性が悪い場合には変質する恐れがあります。ツヤだし、半ツヤ、ツヤ消し、生地木目など、外装仕上げによってそれぞれの専用クリーナーがありますので、ピアノ技術者に落としてもらうのが安心です。
  油脂成分の付着は時間が経つと取れにくくなるのでお早めに。クレヨン、マジック（水性・油性）、ボールペンなど、どんなもので書かれたかをお知らせください。
• 鍵盤にマニキュアをこぼしてしまいました…。
• ピアノ技術者にご相談ください。
• 除光液は鍵盤を溶かしてしまうため、絶対に使ってはいけません。ご自身で落とそうとせず、ピアノ技術者にご相談ください。
• シリコンクロスは洗ってもいいですか？
• 洗って何度でも使えます。
• 汚れたら通常の洗濯洗剤で手洗いしてください。何度でも洗ってお使いいただけます。
  ただし、色落ちする場合がありますので、他のお洗濯物とは別に洗ってください。
• ピアノ用の古い乾燥剤。干すと再利用できると聞きましたが…。
• 乾燥させるとピアノ以外の場所で再利用できます。
• 再利用できる乾燥剤はシリカゲルと呼ばれるもので、熱を加えると吸収した水分が発散します。（菓子折りなどに入っている小さい透明なビーズ状の顆粒がそれです）
  カラッと晴れた日に中身を袋から出して二日ほど天日干ししたり、使わなくなった古いフライパンで乾煎りしたあと、和紙などに少量ずつ包み、押入れや下駄箱に入れておくと湿気取りとして効果を発揮します。　　※この再利用品はピアノには不向きです。
• ペダルの変色はどうにもならないのでしょうか？
• ピアノコンパウンド等で落とせます。
• 前述のピアノコンパウンドで落とせます。また市販のサビ落としや金属クリーナーにも有効なものがあるのでお問い合わせください。
  調律の際、お申し付けいただければペダルの研磨も承ります。
• 納品時ペダルにかかっているビニールのカバーは、外さないほうがいいですか？
• 見た目を美しく保ちたいなら、すぐに外さなくても大丈夫。
• ペダルは空気中の水分がメッキに付着して、だんだんサビて茶色くなってきます。
  空気に触れなければ最初の色が保てますので、見た目を美しく保ちたいのであれば、すぐに外さなくてもいいと思います。
  しかし、ペダルが滑って踏みにくければ外したほうがいいですし、使用頻度の高い右ペダルのビニールカバーはすぐに破れてしまうので、あまり役に立たないかもしれません。
• ピアノカバーはかけたほうがいいですか？いろいろな種類があるし、オールカバーはよくないと聞きました。
• どうしてもかけなければならないものではありません。
• カバーをかける目的は埃を防ぐこととピアノをキズから守ることですが、最近はインテリア性も考慮されることが多く、色・デザイン共に豊富になってきました。 日本は湿度が高いので、厚手で化繊のオールカバーは梅雨時には適しませんが、時々陰干ししたりピアノの上の板を開けていれば、問題ありません。
  木地ピアノの場合は「木目が隠れてしまうのでかけない」という方もいらっしゃいます。お客様のお好みやご判断でよろしいかと思いますが、迷われた時はピアノ技術者にご相談ください。
• ピアノの上に物を乗せてはいけないのですか？
• できるだけ乗せないようにしましょう。
• ピアノは箱そのものが共鳴体ですから、あまり重いものを乗せると音の伝わりが妨げられ、せっかくの豊かな響きが損なわれることになります。
  またピアノは湿気を大変嫌うので、鉢植えなどは避けてください。中身がこぼれる危険のあるコップや花瓶、雑音の原因になる写真立てやガラスの人形ケースなども避けてください。
  といっても、全く何も乗せないのも殺風景ですし、楽譜やぬいぐるみ程度なら大丈夫ですよ。

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